桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「……なに、それ…」
揺れる、
沙智の瞳の奥が、
青磁をはじめて遠くに感じる。
「あんな子、青磁には似合わないんだから……。私の方が、
私の方が、もっと青磁をーー」
「私、青磁先生に似合う人になる様に頑張ります!」
突然、
凛とした声が聞こえ、
青磁と沙智は声の方を振り向いた。
そこには、
艶々の長い黒髪に黒目がちな眼の、
可愛らしい少女がいた。
「ーー伽羅、ちゃん……」
青磁の口から、
驚きと
愛しさの込められた名が、
零れた。