桜ノ籠 -サクラノカゴ-
すると、
「……なんなのよ…まったく」
溜め息とともに沙智さんの声が零れた。
「な?最高にいいオンナだろ?」
そう言いながら、
青磁先生は私の隣りに並び、
肩を引き寄せた。
「せ、青磁先生!?」
引き寄せられ、
目の前に近づく青磁先生の胸元。
ドキドキと
鼓動が高鳴る。
「なんなのよ……」
呆れた口調で私と青磁先生を見つめる沙智さん。
その瞳は、
微かに濡れているようにみえたけど、
すぐに沙智さんは私達に背を向け、
大きな溜め息で肩を揺らした。
少しすると、
沙智さんはいつもの綺麗な微笑を浮かべ、
振り返り、
「ついでに買ってく?エンゲージリング」
おどけた様な言葉を口にした。