桜ノ籠 -サクラノカゴ-
咲耶ちゃんと二人、校庭の脇の道を歩いていると、
私は、気付いた。
咲耶ちゃんの視線の先に、
校庭を走る、陸上部の姿。
ーーあっ、
そこでやっと、私は思い出した。
咲耶ちゃんが、陸上部に入っていた事を。
「咲耶ちゃん!部活っ、部活ずっと休んでたの!? 私と、帰る為にーー」
咲耶ちゃんを振り向くと、咲耶ちゃんは、
「いーのっ、今は伽羅との時間が、大事だから」
そう言って、優しく、微笑んだ。
「でもっ…」
「いーから。ほら、帰るよ、伽羅」
やさしい咲耶ちゃん……
また一つ、私は見えていなかった、
気付いていなかった事を、知る。