桜ノ籠 -サクラノカゴ-

 ♢


「明日から、一人で学校に行きます」

藤川家の夕飯が終わると、私は切り出した。


「え、え?きゃ、伽羅ちゃん?急になに言ってーー」

おじさんとおばさんは、慌て、


「咲耶ちゃんとなにかあったの?」

茜さんは心配し、



青磁先生は、
何も言わず、私の言葉を聴いていた。



「咲耶ちゃんと、なにかあった訳ではありません。
ただ、咲耶ちゃんには、他に好きな事も、好きな人もいます。
私は、それを忘れてて……ずっと、咲耶ちゃんに甘えてました」


茜さんが、青磁先生の方を向く。

青磁先生は顎に手をやり、目を伏せる。



まるで、こう私が言い出す日が来る事を知っていたかの様に……





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