冬の日の犬のお話
女の子達は、何度もありがとうございます…と、繰り返して帰って行った。

真樹子は箱の中の厄介者を見ながら、ため息をついた。
改めて見ると、眉をひそめたくなるほど、うす汚れたみすぼらしい犬だ。
かなり歳をとって、生気がない。

首輪をしているから、どこかの飼い犬だろう。
ただ、このありさまを見れば、大事にされてるとは思えない。


とりあえず病院に連れて行って、怪我がたいしたことなければ、見つけた場所で放してやろう。
覚えていれば、自分のうちに帰るだろう。


真樹子はダンボール箱を後部座席に積み、車を発進させた。
このすぐ先に、ペットクリニックの看板があった記憶があった。

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