HAPPYBIRTHDAY-主役のいない誕生日-
生きる
僕は家に着いた。

3日ほど入院させられたが、今ではもうすっかり元気だ。


もちろん彼女の誕生日は、過ぎていった。


おばちゃんはあの後僕に
「あんたがあたしの息子と同じくらいの年だから、ついつい世話や着たくなるのよね」
そう笑いながらもう1度作りなおした煮物を持ってきてくれた。

俺の手には全治2、3週間の怪我が負われていてうまく箸が使えなかった。

その手でコップをもってみるとズキンッと痛みを感じた。

そんな小さなことでも、僕は生きてる……。

そんな実感がしみじみとわいてきた。






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