雨音色
藤木はひたすら道を歩いていた。
寄る所など、本当は何処にも無くて。
ただ、歩きたい。
ふらふらと、彷徨う子羊のように。
それが牧の申し出を断った理由だった。
ひたすらに、道が続く限り、脚の動きを続けていく。
自分が何処にいるのかさえもよく分からない。
何故こんな気持ちになるのか、自分自身に問い掛けてみても、
明確な答えは導き出せない。
だからといって、歩けば答えが出るはずも無くて。
ただ、彼は少し休みたかった。
ここのところ忙しすぎた頭を、少しの間だけでも休ませたかった。
モヤモヤした、得体の知れない何かが心の片隅にこびり付いている。
そこまではよく分かっているのだけれども。
同時に、どこかそれが滑稽に感じられた。
自分で自分が、よく分かっていないなんて。
皮肉な笑いが、溜息に変わっていった。
寄る所など、本当は何処にも無くて。
ただ、歩きたい。
ふらふらと、彷徨う子羊のように。
それが牧の申し出を断った理由だった。
ひたすらに、道が続く限り、脚の動きを続けていく。
自分が何処にいるのかさえもよく分からない。
何故こんな気持ちになるのか、自分自身に問い掛けてみても、
明確な答えは導き出せない。
だからといって、歩けば答えが出るはずも無くて。
ただ、彼は少し休みたかった。
ここのところ忙しすぎた頭を、少しの間だけでも休ませたかった。
モヤモヤした、得体の知れない何かが心の片隅にこびり付いている。
そこまではよく分かっているのだけれども。
同時に、どこかそれが滑稽に感じられた。
自分で自分が、よく分かっていないなんて。
皮肉な笑いが、溜息に変わっていった。