黒の世界
「ナナちゃんか・・・ごめんね?無理矢理。あたしも一人じゃ寂しいからさ。それに暇だし」
この車がどこに向かっているのかもわからない。
それに忍さんの言っていることもよくわからない。
忍さんは携帯を取り出し、誰かに電話を掛け始めた。
「あっもしもし?あたし、忍だよ。・・・うん。やっぱり行くわ。・・・だって・・・男どもに混じって一人っていうのも寂しいじゃん?ま、可愛い子見つけたし。・・・うん、今日は隆治来ないみたいだから。うん、もうすぐ着くから」
かすかに漏れる相手の声は、男の人っぽい。
でもさすがに忍さんの電話の内容の意味がわからない。
今日は、おかしな日だ・・・