約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
車が停まった。
亮君は、ハンドルを握りしめた
まま頭をハンドルに押し付けて
いる。
重たい空気に押しつぶされて
しまいそう。
だって車が止まったのは、病院
の駐車場だったから。
「真幸おいで。」
助手席で固まってるわたしに、
わざわざ助手席まで回って
ドアを開けてくれる。
少しだけいつもの優しい亮君
に思えてホッとした。
差し出された手を取って
車から降りたわたしに、
「真幸ごめんな。」
そう言って亮君は歩き出した。
また、不安で押しつぶされそう
だった。