約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
いつもとびっきりの笑顔で
迎えてくれる真幸が心配そう
に俺の顔を覗き込む。
「病院なんだって。」
「あぁ、疲労だってさ。」
「疲労?」
「そう疲労。今やってる仕事
が一段落したら温泉でも行こう。
ゆっくり、温泉浸かっておいし
いものでも食べてこよう。
なっ真幸。」
「ぅっうん。あまりムリ
しないでね。」
「わかってるって。」
俺は、決めたんだ。
真幸の前では普通に過ごす
って。
真幸をだませる間はだまし
続けるって。
でも、もし真幸が気付き
始めたらその時は真幸の
前から消えようって。