約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて


「うわ~ん。」


突然 本当 突然にわたしの
目の前に立っていた先輩が
泣きだした。


腰まである黒々とした
髪はしっかり手入れされていて、
さらさらでその髪で顔を
隠しながら泣いている。



 「えっ!!」


泣きたいのはわたしですけど。


どうしてあなたが泣きだすの?



硬直しているわたしを、
髪を振り乱し泣きながら、
赤く腫れあがった細い目で
キーーーってきつく睨みつけた。



そして、勢いよく
教室から飛び出して行った。



「幾待って。」


泣いていた先輩を
幾って呼びながら後を追う先輩方。



1番後を追っていた金髪に
近い髪の色に目つきの怖い先輩が
教室を出ていくその時わたしに
言ったんだ。



 「調子にのるなよ。 
覚えてろよ。」
って。



女の先輩の鋭い一言が恐怖を誘う。




覚えてろって言われても・・・・。

理由は???




その前に今日の出来事は
忘れたくても忘れられません。



< 31 / 207 >

この作品をシェア

pagetop