キス魔
「俺がカエラに惚れたのはわかるよね?」
出された水を少し飲みながら言う。
「…わかんないし…」
あたしは唇を尖らせる。
長谷部くんはニタっと笑った。
「その唇を尖らせる癖止めた方が身のためじゃね?」
長谷部くんはそう言った。
意味がわからなかった。
「…ブス差が増すってこと…??」
あたしは俯きながら言った。
「…ふっ。俺がキスしたくなるよ?ってこと♪」
「は!?」
あたしは唖然とした。
「ばーかw」
いや、いきなりそんなこと言われても…
というのがあたしの内心だった。
「つか、長谷部くんじゃなくて葵って呼び捨てにしろよ」
長谷部くんはそう言った。
「…恥ずいし、まだ仲良くもなってないのに嫌。」
あたしは全面拒否した。
「俺はもう仲良しのつもりなんだけどなぁ〜カ・エ・ラ・ちゃん♪」
一音一音空けて話す長谷部くんを前に赤面してしまう。
「カエラは俺の彼女だろ?葵って呼べ。」
長谷部くんの言葉にあたしは再び赤面する。
そんなあたしを見て長谷部くんは笑った。
「ほら、呼んでみろよ。」
肘をつけてニヤッと笑う長谷部くんは楽しげだった。
「…あ…お…い…///」
「良く出来ました。」
そう言い葵はあたしにキスをした。
机から身を乗り出して。
「…キスばっかすんな!」
あたしは俯きながら言った。