王道☆非王道
黄彩は窓側の一番後ろの席。
楓はその左に空いた席。
黄彩の言葉を遮った男は黄彩の斜め前、楓の前。
2人の話を聞いていたのか。
男を見ると言ってあげたんだよ、褒めて褒めて褒めたたえろ!とでも言いたげな顔をしていた。
「おーい?楓?おいー?…ダメだこりゃ。」
「工藤いいとこで邪魔するよね」
「うっわぁ!!いき、いきなり戻ってくんな!あー、びっくらこいた」
前にいる男は工藤S氏。
家が隣同士であたしの数少ない理解者であり、幼なじみ兼親友。
まとめちゃうと言うと遮った男。
「慎太郎です。Sでまとめないでくれるかなハムスター。コ●ン君でてきちゃうよ(さ、遮った男??)」
そう言うと慎太郎は黄彩の鼻をつまんだ。
そのままぐっと上に引っ張るもんだから慌てて立ち上がる。
「鼻とれる!」
変に力んでしまったため耳がぼわっとするのが嫌なのか頭をふるふると横に振った。
「たろちゃん死ねし。えげつないことしないでよね」
「お前が死ねよ。たろちゃん言うな」