幸せという病気


四月十日。

空は一点の曇りも無く、様々な色がその青に交じり合う。

誰がそれに気付くのか、気付かないのか・・・。

強烈な光は、頭上から試すように見ていた。


まだ希望を持たせたいのか、それとも、最後の優しさなのか・・・。




幾ら願えど、時は止まらない。



幾ら願えど、時は戻らない。







人間だけがそう思っている。



時間とは、人の心中にある。

だが、もしも、地球に角があれば・・・。

もしも太陽に角があれば・・・。

人々の願いは叶えられたかも知れない。

気付けば、自分というものが存在し、気付けば、誰かの存在を知る。

それは幾年も繰り返される事は無く、何十年という定めの中で生かされる。

決まっているのは時間では無く、自分の存在と、誰かの存在を知る事。

その緻密な計算とパターンは、各々の人生で複雑に絡み合う。

例えば、その見えない線を一本でも切ってしまえば、一瞬のうちに何人の人間がいなくなるだろう。

例えば、その見えない線をもう一本増やせば、その瞬間にまったく違う『今』が生まれる。



人々はその線を、運命や奇跡と呼ぶ。


誰かと出逢い、喜ぶ事も。


誰かと出逢い、傷つけ、傷つけられる事も。


誰かに憧れる事も。


誰かに恋をする事も。


全て運命であり、奇跡であると。


< 195 / 439 >

この作品をシェア

pagetop