幸せという病気
そう言うと・・・遥はその瞼をゆっくりと閉じる。
「おい・・・遥・・・?・・・・起きろ遥ぁぁぁー!!!」
《ねぇねぇ。でもお兄ちゃんっ。お花をそんなにどうするの??》
《ん?・・・それはねぇ・・・内緒っ》
《えぇぇ~》
《遥が大人になったらわかるよっ》
《大人になったらぁ??》
《うんっ》
《じゃあそれまで待ってるぅ》
暗闇の中。
最後に・・・武の声が聞こえた。
《遥・・・待たせたな・・・今までくれたたくさんの花を倍にしておまえに贈る》
《竜司と二人で・・・幸せになれ》
やがて声が遠くなり始めると、遥の病室の窓から見える二つの桜の木が風に吹かれ、その花を大量に散らせ始めた―――。
《今までくれた分に敵うかはわかんねぇけど、花が大好きだったおまえに・・・俺からの最初で最後のプレゼントだ・・・》