幸せという病気
《実は夢を見たんだ。しかしワシの見た夢はここまでしか教えてくれなかったからなぁ》
《・・・こうなる事・・・わかってたのか?》
《あぁ。ここまではどーも正夢らしい》
《・・・もうわかんねぇのか?・・・その先・・・》
《わからん・・・だが、人が大量に死ぬ事はわかっている・・・》
《・・・そんな・・・》
《これを全て伊崎武に伝えろってな・・・夢ん中でどこの誰だかわかんねぇが・・・そう言われたんだよ。聞いた事あるような声だったがな・・・誰だろうなあれ・・・》
《ってか・・・なんで俺・・・?》
《知るかよそんな事》
「武・・・あれ、俺だぜ?波川さんの夢に出てきたの」
「・・・へ?」
「俺だぜってゆーか、俺の予定・・・これから、地震が起こる前の、あの時の波川さんの夢に繋がろうと思う」
「・・・何?」
「夢の世界ってのは過去も未来も現在も無い・・・俺達が生きてる間にいつも見ている夢ってのは、現実の世界じゃないからだ。だから普段考えてる意識と交わる事はないし、今こうして話してる事も本当は時間という軸は存在しないんだ・・・だけどこの幸せ病は夢と現実を行き来出来る。夢の世界に時間という空間が出来てしまったんだ。だから未来から過去へと・・・夢を伝って波川さんの当時の夢に話し掛ける事が出来る気がする。ただ、あの時は幸せ病が発症する前だし、波川さんが病気なわけじゃねぇから、一方的にこっちから話すだけで会話として成り立たねぇだろーけどな」
「難しい・・・発想が弘樹だとは思えん・・・」