幸せという病気
「人は、後悔して生きてても・・・楽しくねぇよ・・・だとよ」
「・・・そっか・・・」
「・・・あの夢の事、当時からただの夢だとは思ってなかったが・・・ずっと気になっていた事があった」
「・・・何・・・?」
「・・・伊崎武が死んでも、あいつの子供の事、宜しくお願いします・・・ってな・・・あの頃のワシにはさっぱりなんの事だかわかんなかったが・・・」
「・・・あのバカ・・・」
「今になって・・・やっと気が付いた・・・そんなに賢くもないくせに、こうやってカッコばっかりつけやがる・・・他人の事は人一倍心配するくせに、自分の事になると全く何も考えない・・・そんな奴・・・兵藤しかいねぇ・・・」
「結局、余計な事まで喋ってんじゃねぇかあいつ・・・」
「あの頃、おまえに子供なんていなかったからな・・・だから何の事かわからなかったが・・・ひょっとしたらあれは予知夢ってやつなのか・・・しかしどうして兵藤の声だったのか・・・ワシにはさっぱりだ」
「・・・幸せ病だよ」
「何?」
「幸せ病の・・・奇跡の一つだ」
「・・・そうか」