幸せという病気
「おっさん・・・きっとあいつはもう・・・何もかも吹っ切れてるはずだ・・・自分の親父の事も、それから、おっさんや家族の事も・・・」
「・・・」
「だからおっさんも・・・背負い込んだモン、一回降ろせよ」
「・・・」
「それで幸せになるかはわかんねぇけど・・・ずっと不幸を背負ったままよりずっとマシだ」
「・・・あぁ」
「・・・弘樹は・・・そう言いたかったんだと思う」
「・・・あぁ・・・そうだな」
茂がそう良い、唇を噛み締めると、病室にようやく香樹と祖母がやってきた。
「・・・・お兄ちゃん?・・・・」
「・・・香樹・・・」
そして今まで穏やかな顔をして話していた武は、
香樹のその顔を見た途端・・・。
「・・・香樹・・・ごめんな・・・・・・」
溜まりに溜まった涙が、一気に零れ落ちた―――。