幸せという病気


そして、武が亡くなってから三年が経ち・・・。









すみれはその日、武とよく訪れた夜景の見える場所にいた。











「さくらぁ?寒くない?」




「うんっ」







武とすみれの子は、『さくら』と名付けられ、すみれはさくらをその場所へと連れて来ていた。









「さくらぁ。ママね?よくパパにここに連れてきてもらったの」



「ふ~ん」



「・・・昔と変わんないなぁ~」







「ママぁ」









「ん?」









「パパと来た」









「・・・え・・・パパ?」









「さくらね?パパと、ここ来た」









「・・・そっか・・・」










「その時、ママもいたよ?」










「ママも?」










「うんっ。三人であそこに名前書いたのぉ」









さくらが指を指した壁に・・・。











「・・・なんで・・・?」














三人の名前と、三年前の武の命日の日付が書かれていた――。















「・・・さくら?それっていつ?」









「昨日の夜ぅ」










「昨日の夜は・・・遥お姉ちゃん達と一緒にいたよね?」









「うんっ!その後だよ?」









「その後?・・・その後は、おやすみしたで・・・」









「・・・ママ?」










「・・・夢・・・の中・・・」









「へ?」










「・・・さくらの夢の中に・・・武が・・・」

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