幸せという病気
すると一変し、少し黙ってすみれが静かに話し出した。



「今日、楽しかった・・・」


「うん・・・よかった」



武がそう答えると、すみれは悩むようにうつむく。



「・・・でも・・・武さんとあまり、楽しい事増やしたくないよ・・・」



「・・・・どうゆうこと?」



「辛いから・・・」



「・・・」



「私、やりたい事たくさんある。教師もうまくやっていきたいよ?こんな世の中になってもそう思う」



「うん・・・」



「・・・でも・・・死にたくない・・・」



武はその言葉に何も言えない。


すみれが続ける。


「・・・正直に言うとね・・・?今の彼氏の事好きだけど、この状態が続くならそれでいいって思ってる・・・大きく何かを望んでない・・・好きでいてくれるならそれでいいって・・・でも、これから武さんには望んじゃうかもしれない・・・多分・・・望んじゃうし・・・もう望んでる・・・ごめんね。都合いいよね・・・だからこれ以上好きになってそれが叶った時さ・・・やっぱ恐いよ・・・」






「・・・病気の事?」




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