等心大
片思い

出会い

「蜜ー、はーやーくー」


外から声がする。

「ごめんー!すぐ行くから!」

私はイスに掛かっていた
ブレザーを手にとって玄関に走った。

テーブルのパンを、少し千切って口に放り入れる。


「今日全校朝会だよ、あと15分!」

「まじで!?そんなの、私聞いてないよー・・」


中学2年生に進級して、3ヶ月が経った。
未だ、1年生気分が抜けていないまま。




「園田ひなと、田中蜜はまた遅刻かぁー?」

「「ごめんなさあい!!」」


校門の先生に怒られるのなんて、
毎日の日課になっていた。

もう、慣れているので怖くなんかない。

ひなと私は、玄関で靴を変えて
すぐに教室に行った。



・・・やっぱり、もう教室にはみんないなかった。


「ひな、体育館どっちだっけ!?」


「今日は、多分第2体育館!」




そう言って、2人で体育館まで走った。






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