龍の女神となるべき姫【上】
「銀姫は風龍が守る、唯一の存在ですよ」
「要するに、亜美は僕たちのお姫様になるんだ」
お姫様?
……私が?
うぅ。
鳥肌がたってきた……。
『拒否権は』
「なしだ」
うっ。
まぁ、足手まといになるのは嫌だからね。
『わかった……。
でも何で“銀姫”なの?
“銀”はどこからきたの?』
風龍と銀って無縁じゃない?
「姫の称号は、そのときの総長によって決まるんです。
悠基のイメージカラーは銀でしょ?
だからです」
『じゃあ、赤姫とかもいたの?』
「はい。ですが銀姫は初めてですよ」
へぇ。
蝶凛では私の色は空色だったけど、風龍では銀色かぁ。
「ねぇ、亜美。
みんなに紹介するから挨拶してくれる?」
『あ、うん』
挨拶かぁ。
人の前に立つのって久しぶりだし、緊張するなぁ。