龍の女神となるべき姫【上】


『でも、実際に会って、しゃべって、一緒に過ごして。
本当にあたたかかった。
冷たい人なんて1人もいなかった。
私は、銀姫になれたことを誇りに思うよ』




4人の表情がほんの少しだけ緩んだ。



私の話を聞いてくれてるんだ、ってわかって嬉しい。




でも、今私が伝えたいのはこれじゃなくて。




『私が言いたいのはね。
会わなくても、風龍のことは知れ渡ってるってこと。
確かに再会はできなかったみたいだけど、風龍は素敵な族として噂になってるんだよ』




人は気まぐれだから、噂なんてすぐに消える。



なのに、風龍の噂は消えるどころかどんどん広まってる。



それはすごいことだよ。



自信持っていいんだよ?




『直に会わなくても、天姫に伝える方法はいくらでもあるんだよ。
会えなかったんなら、嫌でも耳に入るくらい、もっともっと噂になればいいじゃん』



「「「「……」」」」


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