龍の女神となるべき姫【上】


しばらくすると。



涙も止まったし、辛そうでもなくなったから、今度こそ行こうとしたら。




―――ギュッ



裾を掴む手の力が強くなった。



そんな行動が可愛くて、思わずにやけてしまう。




それでも行こうとすると。



また、亜美の瞳に涙が浮かんできた。




ちっ。


俺、こいつの涙に弱ぇみてぇだわ。





でも、今度は涙だけじゃなくて。











『……しょ………う……』


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