龍の女神となるべき姫【上】
「その方がいいな。
あ、お前は2―Aだから」
拓也君がそう言ったとき、ノック音がし、男の人が入ってきた。
「亜美、こいつがお前の担任だ」
「結城武司[ユウキ タケシ]です。
よろしくお願いしますね」
多分拓也君と同い年くらいの、眼鏡を掛けた男。
少し気弱な感じがする。
「んじゃ、わからないことは結城に聞けな。
ここにはいつでも来ていいから」
『うん。ありがと』
「じゃあ教室に案内しますね」