龍の女神となるべき姫【上】
教室へと向かう途中。
『ねぇ、先生』
「何ですか?」
隣を歩く先生を見上げて、声を掛けた。
『いつまで猫をかぶってるつもり?』
「は?」
さっきまでのオドオドした雰囲気と違い、無表情な顔で見下ろされた。
立ち止まった先生に合わせて、私も足を止める。
「……いつ気づいた?」
『はじめから。
あんた人の下につくの慣れてないでしょ?
そんなんじゃこれから先、生きていけないよー?』
「ふっ。
……拓也の奴、とんだじゃじゃ馬娘を放り込んでくれたな」
……失礼な。