龍の女神となるべき姫【上】
私はクローゼットの奥深くに仕舞っていた箱から、スプレーを取り出した。
それは、銀色の髪染め。
もしかしたら、ばらすことになるかもしんない。
そのときのみんなの反応は?
言わなかったことを怒る?蔑む?悲しむ?
考えると、心臓がバクバクしてくる。
いつから、私はこんなに弱くなったんだろう?
もう、私のせいで誰かが犠牲になることのないように、強くなるって決めたはずなのに。
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