龍の女神となるべき姫【上】
私が1人、あたふたしていると。
「……亜美?」
『は、はいっ!!』
私の名前を呼ぶ、テノールの心地よい声。
初めて聞くこの人の声は、甘い響きも含んでいるよう。
「男には綺麗って言うより、かっこいいって言うもんだろ」
そう言うと、ふっと笑った。
冷たい印象が、どんどん消えていく。
『笑ったら。
笑ったらかっこいいです……』
私がそう言うと、銀髪の人は目を見開いた。
わ、私、何言ってんだろ。
今さらながら恥ずかしくなってきて、顔を真っ赤にしていると。