龍の女神となるべき姫【上】
こいつなら、一言一句間違えずに言えるかもしんねぇ。
ちょっと楽しみだな。
『あの2人は、私の父の取引先の専務の弟の婚約者の隣に住むおばあさんの初恋の人の家庭教師の孫の同級生の甥なの』
「……」
『……』
おいおい。
確か、さっきは“専務の息子”じゃなかったか?
なんか、合ってるようで合ってねぇし。
ふっと女の顔を見ると、若干青ざめて、冷や汗をかいていた。
まぁ、この静まり返った空気は耐え難いわな。