龍の女神となるべき姫【上】
『……な、何言ってんの?
バイクに乗ってんだから、何も抱え込めるはずないでしょ』
「ちげぇよ。そういう意味じゃねぇ。
わかってんだろ、本当は」
『~~~っ!!』
わかってるよ……。
でも、どうして気づいたの?
私、そんなそぶり1度も見せなかった。
作り笑いだってしてない。
……ふふっ。
さすがは“聖龍”ってとこか。
あなたならこれから先、もっともっといい総長になれるよ、悠基―――
「無理して話させようなんて思ってねぇ。
だが覚えとけ。俺らはお前の仲間だ。
いつだってお前の味方だ」
―――キキーッ
信号でバイクが停まった。
悠基は、振り返り私の目を真っ直ぐに見つめて―――
「1人で泣くんじゃねぇ」
……悠基の言葉に泣けてきちゃうよ。
『ありがとう』
今、私は最高の笑顔をしてると思う―――