あたし、脱ぎます!《完》



正直、
どうなるか分からない。


ただ、
淳平くんに会える
キッカケになる、

好きになってもらえるかも……という単純な理由で、
グラビアアイドルになると、
言っちゃっただけだから。


ただ、
昨日の夜、

ベッドの上で
契約書を見ながら思ったことがある。


それは、
あたしには夢がないこと。

やりたいこともないし、

目指していることもない。

無我夢中で
頑張っていることもない。


陸上部で
グランドを走っている千恵ちゃんや、

服飾の専門学校に行くために
バイトに明け暮れる詩織たちと
比べても、

あたしは
一直線になれるものが無い。


高校を卒業したら、

短大にでも行こうかな……と、

思う程度だ。


お婆ちゃんに
契約書を見せたときに、言われた。



「選ばれた人しか出来ない仕事なんだから、頑張りなさい」と。



だから
二年間は頑張ってみて、

自分を
探してみようと思ったんだ。

自分探しの
二年間にしたかったんだ。

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