あたし、脱ぎます!《完》



その週の
土曜日の朝、

あたしは
東京に行く電車の中に居た。


今回はあたし一人。


窓からの景色が
畑ばかりの田舎から

住宅街になり、

そして
ビルが立ち並ぶ都会へと変わって行く。


不安がないと言えば、嘘になる。


……ただ、

それより
楽しみにしていることがあった。


それは午後から、
淳平くんと会うことになったのだ。

一昨日の夜、
週末に東京へ行くことを
メールすると、

お茶でもしようという返信があったのだ。


メールが
出来るだけで嬉しいのに、

会うことが出来るなんて。


しかも二人きり!!



高層ビルを眺めながら、

ニヤけるあたしが
窓ガラスに映っていた。

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