引きこもり王子
「後輩のくせに舐めんじゃないわよ!!」
集団で暴行ときたもんだ。
あたしは意味も分からず、ただ殴られ蹴られていた
そんな時、彼がやって来た
「あんたら馬鹿じゃないの?」
カツカツと人を掻き分け、地面に横たわっているあたしを起こして立たせてくれた
「〜先輩、俺の友達なんだけどさ。言ったらどーなるかな」
そう言ったら
「覚えてろ!!」
先輩達はどこかに行ってしまい、あたし達はとり残された
「大丈夫?」
彼はあたしの汚れを払ってくれて落ちてる鞄を拾って渡してくれた
「今度から、気をつけなよね」
あたしは何も言えず、先を歩いて行ってしまった彼の背中を見つめることしか出来なかった
翌日から、彼は虐められ始めた
クラスの男子から、そしてあのファンクラブの先輩達から。
だがあたしはそんな姿を見てるだけしか出来なかった
彼は助けてくれたのに。
だが彼は、何も言わなかった