last~舞い散る雪の羽根~

雪ヶ丘荘の日常

午後8時。


その時間に、おれは静かに帰宅した。


今日は学園は始業式だけだったので、すぐに終わった。


その後、おれはバイト先できっちり労働して、今に至る。


花岡明莉か・・・。


ベッドに横になって、彼女の部屋の床になっているであろう天井を見上げる。


まさか、同じクラスになるとはな・・・。


携帯電話を取り出す。


『ちっこい』グループの中から登録名『隣ンち』を呼びだして電話をかける。


薄い壁の向こうからわずかに着メロが聞こえた。


『もしもし』


「おれだ。夕飯は食ったか?」


『いえ、まだですけど・・・』


「なら、俺ンちで食うか?」


『え・・・でも、いいんですか?』


「むしろ、来て欲しいんだが。スパゲッティを作ろうと思うんだが、いいか?」


『はい、すぐに行きますっ』


通話が切れる。


がちゃり、ばたんっ!


ぴんぽーん。


がちゃり。


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