女番長
「俺、アホやった。」
質問に答えるどころか、変な話を始める龍。
「実はな、美紀は俺の元カノやねん。」
「えっ?」
突然の話に驚きを隠せずにいるあたし。
「あの時…覚えてる?」
「龍が美紀ちゃんといたとき?」
龍は頷いた。
「あの時、美紀がやり直したいって言ってきてん。もちろん俺は断った。」
あたしは静かに龍の話を聞いてた。
「そしたら美紀が、じゃあキスしてって言ってきた。それももちろん断ったよ、俺は真希としかしいひんって。でも、してくれへんなら真希に何するか分からんって言ったから、仕方なくしてん。」
初めて聞く話ばっかりで、動揺を隠せへんあたし。
ずっと俯いてるあたしの手を、あたしの大好きな龍の手で握ってくれた。
「言い訳にしか聞こえへんかったかもしれんけど、分かってほしい。」
寂しそうな顔で龍が言うから、あたしは思いっきり首を横に振った。
「あたしこそ、ちゃんと話も聞かんと決めつけてごめんな?」
やっと誤解が解けた。
でも、まだ問題は残ってた。
「でも、美紀ちゃんと付き合ってるんやろ?」
「うん、付き合ってた。でも、あの事件の時に別れたよ。」
「そっか。」
本間は、「そっか。」なんかじゃ終わらせられへん問題やったけど、あたしはそれ以上聞かへんかった。
何でか分からんけど、涙が溢れてきた。
一粒、また一粒と、あたしの脚の上のひざ掛けにシミをつくっていく。
俯いて泣くあたしに気づいたのか、龍はあたしを抱きしめた。