女番長
「龍もかっこいいよ。」
「えっ?」
「ううん!何でもない。」
龍のせいで、恥ずかしいやん。
「真希、上がれよ。」
「じゃあちょっとだけ、おじゃまします。」
あたしは昨日のように、龍の部屋へと向かった。
「なぁ龍…、昨日のアルバム、もう一回見せて?」
「あぁ、いいよ。」
アルバムを開くと、やっぱり美紀ちゃんの姿があった。
「この子、美紀ちゃんでしょ?」
「は?何で知ってんの?」
「だって、あたしの学校にいるもん。」
「えっ?あいつ確か、住んでんのこの辺じゃねえよな?」
龍は、不思議そうな顔をして、一人でブツブツ言っていた。
「美紀ちゃんさ、あたしを探しに転校してきたんだって。」
「何で?」
「彼氏とられたからだってさ!」
「それって、俺のこと?」
そうだよ!あんたのせいだよ!!
なんて言ってやりたかったけど、その先が怖くて言えなかった。