女番長
次の日も、あたしは学校に行った。
「真希ー!今日さ、久々にカラオケでも行かへん?」
「あっ、ごめん!今日あたしちょっと用があって…。」
「そっかぁ、じゃあしゃーないな!」
「本間ごめん。」
「いいよ。じゃあ、またね!」
「うん、バイバイ!」
あたしの用…それは、龍の所に行くことだった。
ピンポーン
「はい。」
ガチャッ
「あっ、海君!龍いる?」
「今いますけど、真希さん行かない方がいいと思いますよ。」
「いいのいいの!あたしは龍の彼女なんやから!」
そう言ってあたしは龍の部屋へと向かう。
「あっ!ちょっ!」
この時、海君の言うことに素直に従っておけば、こんな思いすることもなかったのかな?
今さら後悔しても遅いけど…
「りゅ……う…。」
あたしが龍の名前を呼ぼうとしたちょうどその時、あたしの目の前で、とんでもないことが起きた。
チュッ
「龍…。」
それは、龍が美紀ちゃんにキスをしていたところだった。
あたしは、その場で固まって、何もできなかった。
龍、あんたの彼女はあたしじゃなかったの?
そうか、もうあたしに飽きちゃったの?
悔しいよ…。
あたしばっかりが、龍のこと好きだったんだね。