秘密の花園




辺りを見回すとあずなさんがこちらに向かって手招きしていた。


「理香ちゃん、変わったねえ!!」


「そ…そうでしょうか…」


こんなに真正面から堂々と言われるとちょっと照れる。


「今からメイクするからここでちょっと待っててね」


「はーい」


メイクの順番を待っている間暇だったので、スタッフさんが持ってきてくれたお茶に口をつけてみる。


ふうっとひと心地ついていると、ふと、隣に座っている少女が目に入った。


おお!!ビューティフォー!!


私は心の中で感嘆の声を上げた。


王道のおメメパッチリ美少女ではないか!!


黒目の大きな瞳に、微かに赤みのさす頬。


顔立ちは人形のように彫りが深い。


美少女は物憂げに目を伏せ、雑誌をパラパラとめくっていた。


そんな日常の姿さえ、絵になる。


だからこそ、美少女の口からこんなセリフが出てくるとは夢にも思わなかったのだ。



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