秘密の花園
「唯香ちゃん、これなんかどう?」
「良いですね!!」
サタンはきゃっきゃと騒ぐ唯香とまみちぃを私同様、遠巻きに見ていた。
「ねえ、良いの?」
椅子に腰かけて雑誌を読んでいるサタンに向かって声を掛ける。
「女の買い物には口を出さないって決めてんだよ」
「はー…そうですか……」
「俺が選ぶよりあの二人が選んだ方が年齢層に合うだろうし、お前も着やすいだろう」
この場に私の着やすい服なんてあるわけねーだろ!!
……というか、唯香とまみちぃが付いてこなかったらあんたが服を選ぶつもりだったのかい。
「買い物が終わったらどうすんの?」
「それはついてきてからのお楽しみだな」
魔王が雑誌から私に目を移してニヤリと笑う。
「それは結構ですこと」
こちらは腹をくくったんだ。
さあ、お手並み拝見と行こうじゃないの?
……その前に、唯香とまみちぃの買い物欲が収まることを祈らないといけないけれど。