秘密の花園
シミュレーション13

曲者


「ピエール様!!こんにちは」


「ヘイ!!ネエちゃん!!」


ピエール様は魔王にこき使われにやって来た私を今日も明るく出迎えてくれた。


「うわあ!!素敵な帽子ですね!!」


ピエール様の頭にのっていた赤い毛糸の帽子を見て、思わずパチパチと手を叩いた。


ピエール様サイズに誂えられた帽子には小さいボンボンがついており、雪の結晶の刺繍が施されていた。


白い光沢のボディに赤い色が良く映えている。


下半身は相変わらず世間様にこんにちはしているけれど、とっても温かそうだ。


「さんきゅう、ネエちゃん!!」


ピエール様と私は互いに指をぐっと突き出して、友情を確かめ合った。


「それじゃ、行きますね。油売っているとサタンに怒られちゃいますから」


そう言って階段を上りだした私にピエール様が背後から声を掛ける。


「今日は曲者が来ているぜ」


「曲者……?」


ただならぬ響きにゴクンと唾を飲みこむ。


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