妖魔04~聖域~
「テメエ、俺の言葉が解るか?」

龍は答えようとしない。

龍は敵。

確実に俺を破壊にかかるだろう。

龍に俺の能力が通じるかどうか解らない。

俺が作戦を立てている中、龍は突進してくる。

「面倒くせえ!」

燕を抱えて左側に避けると、龍は突進したまま壁にぶつかる。

りゅが自滅をして雌雄を決することはない。

予想通り、龍は浮遊したまま壁から無傷で出てくると、感情のない顔でこちらを向く。

「使ってみるか」

遊びでしか使ったことはない。

龍の行動を見ながら、攻撃できる範囲まで近づいていく。

龍が近づいてくるところで儀式を始めた。

「あっち向いて、ホイ!」

俺は指を上に向けると、龍の首は上を向く。

「砕けろ!」

下段からアッパーカットで龍の顎を狙う。

手ごたえがあったらしく、龍の体は宙を舞い後ろへと吹っ飛ぶ。

「いてえなあ」

壁に激突しても無事なのだから、拳の方が痛いに決まっている。

龍は何事もなかったように立ち上がり、浮遊して近づく。

「まだやるのか。面倒くせえな」

「フレフレ、ジーン。フレフレ、ジーン」

いつの間にか用意したポンポンを振りながら、チアガールの物真似をしている屑がいる。

「テメエ、殺すぞ?」

「ホラ、幼馴染のパンチラだぞ。嬉しいだろう」

片足を高く広げるので、赤いスケたパンツが見える。

余計な邪魔が入るので、集中が出来ない。

気付けば、後一歩という傍にまで近づいている。
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