妖魔04~聖域~
再び能力を使おうとしたが、龍の口から電気の弾ける音がする。

「電流か!」

部屋全体を照らす程の光が放たれたかと思うと、耳を劈く大きな音が当たりに響く。

咄嗟に避けたものの、足に電撃が走る。

「くそ、耳もやられたか!」

音のせいで一時的に音が聞こえなくなってしまった。

片足は火傷を負っており、動かす事が出来ない。

燕は何故かサングラスをしており、電流も受けている様子はない。

「テメエ、何で平気なんだ」

「・・・・」

口パクだけで何を言っているかわからない。

声が聞こえないと、意志が伝わりにくいということか。

傍には先ほど入手した古代コアが落ちている。

古代コアの力を使えば、勝つことが出来るかもしれない。

だが、龍に勝つというのであれば、もっと簡単な方法はある。

「燕、テメエは俺のことを好きだと言ったな?好きだというのなら俺の願いを聞け。後でおいしい思いをさせてやる」

龍の影が近づいてきている。

餌に釣られた燕は、龍の二倍の速度でウサギのように跳ねながら近づいてくる。

「コアを元に戻せ!」

「・・・」

コアを飛鳥に手渡すと、従順に台座の元へと走っていく。

龍は電撃を放とうと充電している。

一度攻撃を受けると、電撃を放つシステムでも組み込まれているのか。

コアを台座の上に置くと、電撃の音は消えてしまった。

背後の龍は元の形で石に変わって大きな音を立てて倒れる。

燕がコアをネコババしないかと心配だったが、条件が良かったおかげで給料泥棒にはならなかったようだ。
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