妖魔04~聖域~
「面倒くせえ」

まだ終わってはいない。

何かを求めるような眼差しが近くにある。

「すまんが何も聞こえない。条件を果たすには治してからにしろ」

上手く利用していかなくては、割りに合わない。

どす黒い欲望を抱えた燕に耳と足を治療してもらう。

燕の能力は便利だ。

開業医でも開いたらいいだろう。

だが、今のように自分の欲にしか能力を使わない。

「そうだぞ。私はお前が好きだから、お前と自分のためにしか能力は使う気はない」

ちゃんと治療を施されたようで、耳にも音が届く。

「どれ、まずはその上着を脱いでみなさい、診察してあげよう」

下から脱がしにかかるがエルボーで頭の頂点を穿つ。

「これでも食ってろ」

駄菓子屋で買った魔草青汁の残りのパックを倒れてる燕に放り投げる。

「これが報酬か。私を何だと思っているんだ」

文句を言いながらも飲んでいるところ、強欲さが見える。

しかし、これで身の危険を感じなくて済んだ。

「ち、面倒くせえ野郎だな」

再びコアを手に入れるためには、秘策を行うしかない。

秘策の条件は、一度地上に戻らなくてはならない。

コアを手に入れない限りは外界の土を踏む事は出来ない。

容赦なく襲い掛かってくる妖魔を退け、地上へと出てくる。

出来れば一度で済ませたかったが、文句を言っても仕方がない。

二人で冬狐の実家に向かい、ノックもせずに扉を開ける。

「あんた等、良い度胸してるわね」

牛にも匹敵する乳をブラジャーに収めている途中だ。
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