【詩集】タイムマシンの作り方

不発弾



終わりにはピリオド
終わりには読点


決まりに従い
終わりをうたって
空を見上げて泣くひと

誰かの為に巻いた髪
短く巻いたスカートのプリーツ
雨の弾丸に包まれたから
全部とれてしまったの

だから泣いているの?


月にはちっとも届かないの
星が綺麗で悔しいの

終わりはないの?



望みなんかないくせに
笑顔なんか向けないで

起爆剤
すぐにでも
火を噴く可能性


爆弾を転がさなきゃ
終われないでいるの
だって きまり だから

君を嫌いになんかなれない
だって せかい だから


終われないから
終われないから


落とすピリオドは
そう キスのかわり


走る車 流れる景色
窓枠で切り取る世界


月は猫を追う...
猫は月を追う...





【かなわないかたおもい?】




あの日の笑顔とか、触れた肩とか、見つめた背中とか。あの人に関わる何かが、ぎゅうぎゅうとあたしの中を占め始めたことに気付いてしまって、また泣いた。


あの人の幸せを願えないわたしはきっと醜い。

「まだ…好きだって、思う」

行き場の無い言葉は空中で丸い球になってすぐに弾けた。

すぐに消える。消せる。


「───これで、終わり。」


この言葉を、一体あたしは何度言ったんだろうか。


そうして、まだ終われないんだ。


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