たった一人の… 【短編】
その日、私は夢を見た。
私は、琉聖が初めてのデートで連れてきてくれた海にいた。
そして砂浜で砂遊びをしている小さい男の子と琉聖がいる。
『ママ〜☆』
男の子が私を見て、ママと叫びながら走って来た。
その後を優しい笑顔をしながら、ゆっくりと歩いてくる琉聖。
すると、男の子が言った。
『僕はママがママで、パパがパパだから、パパとママの所に生まれてきたんだよ。パパもママもだぁ〜い好き☆』
そして夢が終わった…。
私は起き上がり、お腹に手をあてて話しかけた。
『早く私達にかわいい笑顔を見せてね…。』
私は、母親になる喜びを感じた。
琉聖の奥さんになる幸せを感じた。
この幸せがこれから先もずっと 消える事はないと信じていたんだ。