たった一人の… 【短編】
次の日。
私達は琉聖の家に向かった。
琉『母さん、ちょっといい?』
琉聖がママを部屋に呼んだ。
『何…?』
琉『羅依が妊娠した。俺達、結婚するから。』
………。
羅『私、琉聖との赤ちゃん産みたいんです。ママさん、許してください。』
次の瞬間、私は耳を疑った。
『本当に琉聖の子供なの?』
えっ…。
琉『なんだよそれ。他の男の子供だって言うのかよ。最低だな。』
私は何も言えずに、ただ呆然としていた。
琉『羅依、行くぞ。こんな人に何言っても無駄だ。』
琉聖は私の手を引いて、家を出た。
すると、琉聖のおばあちゃんが追いかけてきた。
『羅依ちゃん、体冷やすんじゃないよ。頑張りなさい。』
羅『おばあちゃん…。』
私はおばあちゃんの言葉が嬉しくて、涙を流した。
『琉聖、羅依ちゃん大事にしてあげなきゃダメだよ。父親になるんだから。しっかりね。』
琉『おばあちゃん、ありがとう。』
『何かあったらすぐ言いなさい。あんた達の家はここなんだから。』
そう言って、おばあちゃんは微笑んで 家の中に入っていった。
おばあちゃん、ありがとう…。私、頑張ります。