◇◆あじさい◆◇
〜星に願いを〜
翌朝、私は朝食を作った。
父にパンではなく、ご飯を食べてさせたくて…。

味噌汁も、ワカメとネギしか具のないものだったけれど、味には自信があった。

あとは、父が買い溜めしていたシーチキンの缶詰を使ってタマゴと炒めた。



父の嬉しそうな顔を見たのは、久しぶりだった様な気がした。



『えっ!?もうこんな時間なのぉ!?やばぃ!遅刻しちゃう!』


慣れない事をしたせいか、時間を忘れてしまう程だった。

私が慌てて玄関に向かうと、父は私を呼び止めた。


『風花っ!』


『えぇ!?なぁ〜にっ?』

父は台所の入り口から出ると、一言…。


『ごちそうさま。』


と笑った。



なんだか、
上手く言えないくらい嬉しい、嬉しい朝だった。
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