◇◆あじさい◆◇
『…おぉ。』


裕介も私の異様なテンションに、違和感を感じた様子だった。


私は、それに気付きながらも、自分で自分がコントロールできないでいた。


『今日は、ハムサンドGETできなかったぁ〜!』


『…ぁあ。』


『明日は絶対ハムサンド食べよっ。』


自分でも何をしゃべってるのか分からなかった。

ただ、間を作りたくなかった。


少し遅れて来た沙織と和也は、どこか、よそよそしく座った。


『食べよっ!なぁ〜んかオナカ空いちゃったぁ!朝ごはんしっかり食べたのになぁ〜。あっ、今日ね、アタシ朝ごはん作ったのっ!って言ってもたいしたもんじゃないんだけどねっ。そしたら遅刻〜!何やってんだろ〜ねぇ〜。』


息をつく間もなく話す私に、三人は明らかに圧倒されていた。

今の空気が分かっていても、私にはどうしようもなかった。


『あっ!そうだ沙織っ!あの絵!和也に見せてあげなよっ!朝アタシが描いたやつっ!』



私は、思い出したかの様に話しを続けた。





『…もういいよ。』


裕介が小さく呟いた。



『…えっ?』



一瞬にして時が止まった。
< 153 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop