◇◆あじさい◆◇
新しい生活が始まる中で、私達は、あんなに一緒にいた日々が嘘の様に、バラバラになった。


卒業してすぐは、時々、沙織と和也の住むマンションに顔を出した。だけど、夜勤の仕事に就いた和也を起こしては悪いと思い、昼間に行く事は控えた。


沙織も段々オナカが目立つ様になる頃、私も慣れない仕事に追われ、電話やメールでのやり取りさえ、互いに遠慮し合い数が減った。

裕介とは、いつしか彼氏・彼女の関係になっていて、ちゃんとした記念日はなかったけれど、休みの日には色んな場所へ出かけた。



たまに、四人で食事をする事はあったけれど、もう、昔の様に五人揃って集まる事はなかった。
< 164 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop