◇◆あじさい◆◇
病院に着くと、とっつぁんはすぐに手術室へと運ばれた。



私の体は、まだ震えがおさまらないでいた。


とっつぁんママは私の体を抱き寄せると、そっと頭を撫でた。



『…どうして、あの子が…。』




明け方、先生が手術室から出てくると、しばらくして とっつぁんママが先生の元へ呼ばれた。



とっつぁんは、そのまま集中治療室へと運ばれた。




私は一人残され、不安で胸が張り裂けそうだった。


一瞬、あの時の事が頭を過ぎった。


母を亡くした

あの日の事…。




【お母さん…。

お願い…。

とっつぁんを…

助けて…。】





私は両手を握って唱え続けた。
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